第63章 桁違いの差

その声が響いた瞬間、場内の視線が一斉に入口へ吸い寄せられた。

パーティー会場の扉から、すらりと背の高い男が堂々と歩み入ってくる。

仕立てのいい黒のスーツに、黒で統一されたシャツ。差し色の赤いネクタイが、どこか攻めた雰囲気を漂わせている。

育ちの良さと不良っぽい雰囲気を併せ持った佇まい。整った顔には、縛られない笑みが浮かんでいる。

――目が合っただけで、犬にすら惚れさせそうな目。

なのに全身からは、押し返せない鋭さが立ち上っていた。

「……あれ、藤井グループの社長、藤井一輝じゃない?」

「なんでここに? 藤井さんって、こういうパーティーほとんど顔出さないでしょ」

「藤井グループ...

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